「オールザッツ漫才2023」ができるまで~セットデザイン編~
1990年から毎日放送で毎年、年末の深夜に約5時間の生放送をしている「オールザッツ漫才」は関西ローカルの番組ではありますが、近年ではTVerでも見られるため全国的にも名が知れた番組です。毎年多くの芸人さんが出演する年末のお祭り番組に、MBS企画美術部もいろんな部分で関わっています。
今回はそんなオールザッツ漫才の番組セットがどのようにして作られているかに焦点をあて説明していきます。
番組セットのデザインはどのように進めたのか
まずは番組演出を担当している制作ディレクターと話をし、セットのイメージを打合せしていきます。
特に今年は私(新人デザイナー)がデザインするという事もあり、なるべく早い時期に打ち合わせをさせてもらいました。そこで話したことを基に、資料などを集めてイメージをふくらませて具体的なセットの形を考えていきます。
それと同時に平面図で演者の位置関係やアクティングエリア、カメラの位置、お客さんの場所なども考え、番組に最適なセットの形を探ります。途中で何度も先輩方に見てもらい、アドバイスしてもらっては修正作業を繰り返し、ある程度カタチになったところで制作側にも見てもらい意見してもらいます。
デザインは主にベクターワークスというソフトで使用して作っていきます。3Dでベースで作業を進めることができるので、空間の形や広さなどをより説明しやすく便利です。
デザインのOKが出たら、実際にセットを製作する大道具さんに発注するための図面を書いていきます。テレビセットの発注作業は、大道具以外にも小道具・電飾・モニターなど番組によって様々な協力会社の方々に発注します。
協力会社さんへの発注後も、セットの一部を自分たちで作ったり、メインのセット以外にもコーナーセットなど、他の場所のセットもあったり…と本番までいろいろな作業があります。
デザインをする上で苦労した点
とにかく一人で全てをデザインするのが初めてだったので…。
特に皆さんの目に一番届くセンター部分をどのようにとめるのが良いか、またどのように奥行きを表現したら良いかなどを考えるのが難しかったです。
他にも、長時間の生放送なので同じような背景が続かないように気を付けたり、予算内に収まるように考えたり…と一筋縄ではいきませんでした。
ここは良かったと思う点は?
いろいろありましたが、とにかく最初から最後まで自分がメインでデザイナーをやってみて、事故なく無事に放送を終えられたことが一番よかった点だと思います。
あと、苦労はしましたが、決められたスケジュール通りになんとかデザインを進められたことですね。そこに関しては、早め早めに期限を設定してデザインできたのが良かったです。
また、セット内のグラフィック部分を同じ美術部のオンエアグラフィックチームにデザインしてもらいましたが、自分が思っていた通りのイメージで出来上がっていたので、スムーズに作業を進められました。これは、同じ会社の同じ部内だからこその連携だと感じました。
初めてのオールザッツ漫才のセットデザインで、イメージの共有から打合せ、随時デザインをチェックバック出来るのがともて良かったです。。
次に頑張りたいところは?
図面で書いている時は大丈夫だと思っていたところが、実際にセットが建ってみると上手くいってなかったりしたところがあり…。ベテラン大道具さん達に助けられ、現場で修正して事なきをえました。
他にも美術以外にカメラや照明・音声など各部署との連携が必要だと感じるところもあり、こういったことを次の機会で活かしていければ、もっと良い番組づくりができると思っています。