「オールザッツ漫才2023」ができるまで~CG編~
関西の年末の風物詩である「オールザッツ漫才」。その番組の企画の1つ芸人ネタバトルというコーナーがあります。MBS企画では得点システムの構築と演出をCG業務として担当しており、今回はオールザッツ漫才のCG業務がどのように行われるいるのかということを説明します。
オールザッツ漫才CG業務内容
オールザッツ漫才でのCG業務の内容は、35組の若手芸人が1分間のネタをそれぞれ披露し、一回戦・準決勝・決勝とトーナメントを勝ち抜く企画の中で、観覧者と芸人がスイッチで投票した得点とX(旧Twitter)で投票された得点を即時に集計し、スタジオのモニターやテロップに得点を反映したCGを送出する作業です。
制作スタッフとの事前打ち合わせや、タイトルデザイナーと素材の仕様や納品スケジュールの調整、複雑なシステムのCG作成などをしなければならないので、OAの何日も前から準備作業がスタートします。
長年続く企画なので、一からシステムを構築する必要はなかったのですが、前回は観覧者と芸人で100点、X(旧Twitter)で100点の計200満点の採点形式だったのですが、今回は観覧者と芸人で200点、X(旧Twitter)で100点の計300満点に変更することになりました。
そのため、CGの構造を変更したりプログラマーに出力用ソフトの仕様を変更してもらう必要がありました。制作段階で正しくアニメーションしないなどのエラーがありしましたが、プログラマーの方と協力してそれらのエラーを全て無くし、万全の状態で生放送に臨むことができました。
スポーツ中継などではテロップ送出専門のオペレーターが付くのですが、この番組ではCG作成者自らオペレーションをすることになります。自分の他にもう一人のCG担当者と二人で、リハーサルを含めると本番当日の昼ごろから翌朝の5時まで対応しなければなりません。
粛々とリハーサルを進め、深夜23:58分にオンエアが開始されます。慣れない生放送のオペレーションで緊張と隣合わせの業務になります。
番組が大いに盛り上がったため放送スケジュールが押してしまい、急遽芸人さんのネタ順の変更などありましたが、そのような状況でも落ち着いて対応することができ、ノーミスでオペレーションすることができました。生放送の醍醐味とも言えますが、このような時にいかに冷静に対応できるかもCGチームの腕の見せ所です。
深夜から翌朝までの生放送で大変な業務でしたが、問題なく放送を終えられたので大きな達成感と安堵感に包まれました。
一緒にCGを作成・オペレーションをしたCG担当者や採点形式の変更にも対応してくれたプログラマー、スケジュール通りに素材を納品してくれたタイトルデザイナーなど多くの人と力を合わせることで、自分一人の力だけでは作り上げられない素晴らしいものを、視聴者の方々に届けることができたと思います。